フリーサーキット  FM変調回路、FM復調回路 032
 「フリー・ソフト」という無料のソフトウェアがある。
 「フリー・サーキット」という無料の電気回路があってもいいじゃないか。・・・・ということです・・・

 まず最初に「FM変調」の簡単なお勉強・・・

 「FM」というと電波のラジオ放送がピンとくるだろう。
電波で「音の信号」を伝える仕方の一つが「FM変調」、日本語で「周波数変調」という。
無線の電波に限らず、有線で電気信号を伝えるときにも「FM変調(周波数変調)」は使える。
具体的には、ある一定の基準となる周波数の交流信号を送り、その交流の周波数を伝えたい
信号に応じて変化させてやる、というものだ。 受信側では一定の基準周波数からどれだけズレているか
により、元の信号を作り出せる。

今ここで考えようとしている「FM変調」は、リレー回路だからリレーのオンとオフの状態を伝えられればよい。
つまり、周波数の変化が2種類だけで、しかも有線で超低周波だから目で見て分かるという、学校の教材にもなる。



  FM変調信号の送信回路と受信回路を普通のリレーとCRで作る。
 超低速でデジタル信号を2本(1ペア)の線で長距離を送るという、今時考えられない代物だ。
 しかし、この回路をICに置き換えれば高速にも出来よう・・・
 「超低速」といってもICと比べてのことで、この回路の動作は人の感覚では速いはずだ。
 また、「線」が張れないときは「光(ランプ)」でもいいだろう。要するに「無線」だ。

【参照】
周波数については → 電気の基本のお勉強(周波数)
リレーなどの接点については → 接点の基本(スイッチ、リレー)
リレーの自己保持については → 自己保持したリレーをオンディレータイマで切る回路
フリップ・フロップ回路の詳細は → フリップ・フロップ リレー回路
リレーの発振回路 → マルチバイブレータ回路、発振回路
シフトレジスター回路の詳細 → リレーでシフトレジスター回路を組む

  
  ここで紹介する回路はまだ途中だ。
 今は4ビット転送で実験中で、最終的には実用を目指している。



FM変調回路
 このFM変調回路(送信側)は、「発振回路」、「フリップ・フロップ回路」、「シフトレジスター回路」、「バイナリカウ
ンタ回路」を組み合わせた物。
 
 【動作概要】
 ・送信データは負論理で4ビット(スタートビットを含んで5ビット)
 ・電源はDC24V
 ・S0〜S3でセットしたデータは、「SW」を押した直後の一瞬に「RS」によってシフトレジスタにセットされる。
 ・「SW」を押してスタートすれば、シフトレジスタのデータは順に「RD」から出力されるが、送出の一番最初に
    「スタートビット1」という負論理データが付く。
 ・スタートビットを含む5ビット送出した時点で、「STT」がオフになり出力の反転が終わる。
 ・「STT」がオフ後、「POW」がオフで全体をリセットする。


 この回路ではシフトレジスタ経由でを行うが、データセレクタでデータを選択してもいい。  
必要リレー個数表
方式 送出ビット数 備考
16 32
シフトレジスタ 31 39 55 87 沢山のリレーが必要。
データセレクタ 24 29 35 44 シフトレジスタコントロール信号とその回路が要らない。



【この変調回路の仕組み】  (タイミングチャート参照)
 RDがオンのとき、右端の出力段フリップ・フロップの出力の反転は、前段フリップ・フロップ「R1C」の
タイミングだけによってR2を通して行う。
RDがオフになると、R1Cに加えてR7のタイミングでもR2を通して出力段フリップ・フロップの出力の
反転を行う。 つまり、RDのオフの時は出力周波数は倍になる。このときの周波数はR1の基本の発
振周波数に等しい。
 
記号
容量
種類
備考
c0
22μF
エッジワンショット シフトレジスタのデータセット用パルス発生
c1
1000μF
オフディレータイマ STTがオフ後、マルチバイブレータ2クロック後にオフ
c2
470μF
マルチバイブレータ  
r1・r2
10〜36Ω
突入電流制限抵抗  

  









 下はタイミングチャート
    データは負論理で、RA0=0(オン)、RA1=1(オフ)、RA2=1(オフ)、RA3=0(オン)


 





FM復調回路
 回路変更により、実験はまだ。


 「FM復調回路」の中に「シフトレジスタ」のコントローラを含めることにより、全体のリレー個数を減らした。
また、電源が直流なのでダイオードを使用して接点を減らすこともできる。
(例えば、CLR1・2信号のR3ab接点、同じくCLR1・2と信号set1・2のR4a接点など)

 この回路は、エッジワンショットとタイマーから作り出した信号を組み合わせて、シフトレジスタを駆動している。
最も大事なのはリレーに組み合わせるコンデンサの容量と言えるだろう。
「負論理」のデータを扱うとこを前提としているので、受信後のシフトレジスタのデータはスタートビットがREにセット
されたときに反転出力される。
記号
容量
種類
C1
47μF
エッジワンショット
C2
1000μF
オフディレータイマ
C3
470μF
オフディレータイマ
C4
100μF
エッジワンショット
C5
100μF
エッジワンショット
C6
33μF
エッジワンショット
     
10〜36Ω
突入電流制限抵抗






  タイミングチャート








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