フリーサーキット  シフト・カウンタ(5種類) 014
 「フリー・ソフト」という無料のソフトウェアがある。
 「フリー・サーキット」という無料の電気回路があってもいいじゃないか。・・・・ということです・・・

記号 リレーのコイル           リレーの接点(スイッチの部分)

初心者にも分かり易いリレー接点の記号を使いました。
(JIS記号ではありません。)
  スイッチの基本をお勉強したい人は接点の基本(スイッチ、リレー)
「ノーマルクローズ」の接 点は、リレーが働いてい ない時(コイルに電流が 流れていない時)につな がっている接点です。

「ノーマルオープン」はリ レーが働くと、つながる 接点です。


シフト・カウンタ回路  普通のリレーを使い、シフトレジスタみたいなカウンタを作る。

 滅多に無い事だが、同じ動作を数サイクル繰返し行なうとき、サイクル毎に異なる制御が必要となる場合に有効な回 路である。  ここに紹介した回路は1つの例に過ぎないので、実際の現場に合わせた工夫が必要。


シフト・カウンタ回路−1 
 部品は次の通り。
     スイッチ3個 スタート1a、リセット1b、カウント1a1b
     リレー2c 1個+(2個)×n(シフト数分)
 S1 スタートスイッチ
 S2 カウントスイッチ
 S3 リセットスイッチ
 スイッチは何れも押しボタン。
RST(R0) スタートリレー
R1A、R1B、R2A、R2B ・・・・ RnA、RnB リレー
緑の枠内は、リレー2個で成り立つこの回路の基本ブロックである。


 動作順序
  電源を供給した時点では、全てのリレーがオフ。

  @ スタートスイッチS1を押す → RSTがオン。 (S1を放してもRSTは自己保持される。)

  A カウントスイッチS2を押す → RSTのNO接点を通し、R1Aがオン。(同時に自己保持される。)

  B カウントスイッチS2を放す → R1AのNO接点を通し、R1Bがオン。(同時に自己保持と、RSTの自己保持を切る。)

   カウントスイッチS2をオン/オフで、このAとBを繰り返し、基本ブロック毎に制御が右に移って行く。
   一番右までいくと、最後のリレー2個がオンのまま、カウントスイッチS2に関係なく停止する。
   シフト・カウント中は、どこかの隣り合うリレー2個が常にオンの状態です。





シフト・カウンタ回路−2
 下の回路は「スタートスイッチS1」を取り除き、電源を入れたとき或いはリセット直後にスタート状態になるようにしたものです。




 この回路をもとにして、アップ・ダウン・カウンタ構成してみたら、こうなった


シフト・カウンタ回路−3
 次の回路は「カウントスイッチS2」を1c接点に変更したもの。
 S2がマイクロスイッチの様に切換が速いときは、下の回路にしなければならない。(この回路の方がいい)





シフト・カウンタ回路−4
 ここまではカウントスイッチS2に、1a1b(1cでも同じ)のスイッチを使ったが、スイッチの都合で1aでも可能である。
 次に、S2に1aスイッチを使った回路を紹介しよう。(但しこの回路は、まだ実験してない。)



 この回路にダウン・カウンタ機能を追加してみたら、こうなった



シフト・カウンタ回路−5
 更に、次はリレーを追加してカウント機能を高めたもの。
 リレーは、RSTとRnAは2c接点以上、RnBとRnCは4c接点以上を使用。(出力回路の構成によって変わる。)
 オレンジ色の回路を追加したもので、追加リレーをソケットから抜けば「シフト・カウンタ回路−3」と同じ。
 (緑の枠が一つのブロック。 最初のブロックのR1Cのリレーは不要。)



出力回路 →



3ブロックで6カウント、4ブロックで10カウント、5
ブロックでは15カウントが可能。


注意
この回路の3ブロックでもカウントの1〜6全ての
デコード出力は得られない。

リレー接点の個数が足りないから・・・・
 『じゃあ、リレーを並列接続して接点を増やせば
いい。』・・・・『正解!』

必要な出力が少なければ、このままでいける。
スイッチとリレーの動作 (●:オン  ○:オフ)
S2の動作
(カウント数)
RST R1A R1B R2A R2B R2C R3A R3B R3C
0
1
2
3
4
5
6


リレー・カウンタ回路のリレー必要個数、その他
 このカウンターというかシフターというか、この回路のリレーの数がカウント出来る数の割りに沢山必要に見えるようだ が、スタートリレーRSTを除いて考えると、3カウントでリレー6個、4カウントでリレー8個が必要だ。
 リレー4個で構成するフリップ・フロップでバイナリーカウンタを構成するとして、4カウントの場合は3ビットでリレーは1 2個必要。
しかし、シフト式カウンタは5カウントで10個で良い。 もう一つシフト式が有利な事は、動作が単純で分かり易い。
 
【リレー必要個数表】
カウント数 シフト式 バイナリ式(2進数方式)
フリップフロップ使用
+1個はRSTの分 ビット数  +nはデコーダの個数
2 4+1=5 2 8+0=8
3 6+1=7
4 8+1=9 3 12+1=13
5 10+1=11
6 12+1=13
7 14+1=15
8 16+1=17 4 16+3=19
9 18+1=19
10 20+1=21
11 22+1=23
12 24+1=25
13 26+1=27
14 28+1=29
15 30+1=31

 この表から、カウント数が7と10以上の場合は「バイナリ式」
の方がリレー個数が少なくて済むことがわかる。

 「バイナリ式」は、2進を10進に変換するデコーダを構成する
為のリレーが必要。 しかし、使用するカウンタ出力が2つ以
内であれば、フリップフロップの1ビットあたり4個の内出力用
1個を4C接点リレーにして、デコーダを兼ねることができるか
ら表中の「+n」を省ける。
そのときの必要個数は「ビット数×4」になる。
カウン ト数 シフト式 バイナリ式(2進数方 式)
フリップフロップ使用
+1個は RSTの分 ビット数  +nはデコー ダの個数
16 32+1=33 5 20+7=27
17 34+1=35
18 36+1=37
19 38+1=39
20 40+1=41
21 42+1=43
22 44+1=45
23 46+1=47
24 48+1=49
25 50+1=51
26 52+1=53
27 54+1=55
28 56+1=57
29 58+1=59
30 60+1=61
31 62+1=63
32〜 63 64+1=65
   |
   |
126+1= 127
6 24+15=39


 参考 → バイナリー・カウンタ回路



 操作スイッチについて
 1aまたは1bだけの接点スイッチを制御に使用すると、接触不良が発生した場合にチャタリングによる誤動作が起こ り得る。
 この回路のS2でいうと、1回のスイッチ操作で2〜3回のカウント動作をする。ひどいときはMAXまでいくかも。
 そうならないように、出来るならば1a1b接点または1c接点を使い回路を構成した方が良い。

 チャタリング防止回路
 リレーを駆動するときのスナバ回路 も参照






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