フリーサーキット  コンデンサー急速放電回路 011
 「フリー・ソフト」という無料のソフトウェアがある。
 「フリー・サーキット」という無料の電気回路があってもいいじゃないか。・・・・ということです・・・

コンデンサー急速放電回路
 「直流電源ユニット」を内蔵する機器のメンテナンス等で、負荷を取り外すときに電源ユニットの出力電圧が下がるのを しばらく待つことがある。 直流電源ユニット内部で放電されても、出力電圧が高く出力側のコンデンサー「C」の容量が 大きい場合は、数分から機器によっては数十分もかかる。
この待ち時間を短くする為に下図(青線)の「コンデンサー急速放電回路」が良い働きをする。
(急速放電が不必要であれば、「リレーA」をリレーソケットから抜くだけでよい。)
注意
 ・電源ユニットがスイッチング方式の場合は、この回路のままでは使えない。電源スイッチを切っても、ある期間出力さ れ続ける。 (出力電圧を安定化するスイッチング電源の出力段のコンデンサー容量は小さい。)
 ・出力電圧が直流100Vを越えるような場合は、電源スイッチを入れた時に出力電圧をリレーAで遮断する際のアーク 放電の発生には特に注意しなければならない。(その場合の回避策は、このページの最下部。)
 
「コンデンサー急速放電回路」の部分は図の青線部分である。
部品 記号  例 ( 条件:電源=200V、出力直流電圧=80V、C=0.02F )
リレー AC200V用 (接点は直流遮断に優れた物にするとよい。)
DC24V用 内部抵抗650Ω、OFFになる電圧は約3.4V(リレーによって異なる為、実験が必要)
抵抗 R1 250Ω10W コンデンサー容量によって100Ω〜300Ω、50W〜5W
R2 2.2KΩ2W リレーBの動作を決定する。 2.2Kでは出力電圧が15V位でリレーBがOFFになる。
R3 100Ω3W コンデンサー容量によって20Ω〜100Ω、20W〜2W
  電源ユニット内部で放電され出力電圧が2V以下になるのに10分程掛かっていたが、この急速放電 回路を追加後は15秒程度になった。
「R1」を100Ωにしてそれだけで放電させてもいいのだが、放電開始時の電流が大きいため短時間 ではあるが発熱量が極めて大きくなり、それによって許容電力の大きい抵抗が必要となる。

詳しい解説
電源スイッチを入れたとき
@ 「リレーA」がONになり、R1以降の「放電回路」は遮断される。
A 「直流電源ユニット」の出力電圧が上がり「負荷」に供給される。

電源スイッチを切ったとき(下図の放電曲線を参照)
B 「リレーA」がOFFになる。(出力電圧は100%)
  「R1」で放電開始。 「R2」を通し「リレーB」がONで「R3」は遮断される。
  (R1に流れる放電開始時の電流は0.32Aで、そのときの電力は瞬間25.6W。)
C R1の放電で徐々に電圧が下がる。
D ON状態を保っている「リレーB」がOFFになり、「R3」による放電が始まる。
E 出力電圧は限りなく0Vに近づく。

放電曲線 ( 条件:出力直流電圧=80V、C=0.02F、R1=250Ω、R2=2.2KΩ、R3=100Ω )


縦軸:Vc出力電圧[V]、縦軸:T時間[秒]

250Ωのみで放電の時定数は5秒、「リレーB」がOFFになり100Ωが加わると約1.43秒に加速する。

[時定数の説明]
 このグラフで分かり易く説明します。 「時定数5秒」ということは、放電開始時の80Vの点は5秒後の0Vに向って 真っ直ぐ降下しようします。 1秒後の65Vの点は、5秒後(最初から6秒後)の0Vに向って、また更に1秒後の53 Vの点は、そこから5秒後(最初から7秒後)の0Vに向って真っ直ぐ降下しようとします。
つまり、どの電圧でもたえず5秒後の0Vを目指して進みます。 従ってグラフは曲線になり、0Vに限りなく近づく。

 時定数[sec] = コンデンサー容量[F] × 抵抗値[Ω]



出力電圧が直流100Vを越えるような場合、リレーAで遮断する際のアーク放電が・・・・

  回避策として次の回路はどうか?




  考え方としては、C1でリレー接点Aにかかる電圧を下げてやる、というものだ。
  出力電圧120Vとして、R1=200Ω、C1=200μF、R3=50Ω(R3はC1放電時の電流制限用にもなる。)
  この場合の時定数は、R1とC1だけで考えると40ms。 R3と接点Aの動作を計算に入れると長くなる。
  C1は、電源スイッチを入れた時から接点Aが切れ始めるまでは、R1とR3によって徐々に上がり始めた
  電圧の最高20%で充電する。 接点Aが切れたら出力電圧をR1を通しただけで充電する。
  
  小型リレーの遮断動作時間は約10〜20msだから、この辺の値で十分実用になるはずだ
   (C1の手持ちが無い為、実験不可能だ〜  どうも、あやしい・・・か?☆●■? 実験やるべし!)





更に、上の回路を一部変更し次の放電回路にしてみた。
この回路は見ての通り、直流電源ユニットの出力に追加するでけでよい。






【実際の値の例】
各部品
リレーA
内部抵抗
R2 R1 R3 C1
電源ユニット
の出力電圧
24〜26V DC24V用
1.09kΩ
電源ユニット内コンデンサ「C」の容量、
また負荷で消費される容量等を考慮し、
放電特性を決定する。
26〜29V 91Ω
29〜32V 220Ω
32〜35V 360Ω
35〜38V 510Ω
38〜42V 640Ω
(620+20)
42〜46V 820Ω
46〜51V DC48V用
4.35kΩ
51〜56V 270Ω
56〜61V 730Ω
(680+51)
61〜68V 1.2kΩ
68〜75V 1.8kΩ
75〜82V 2.2kΩ
82〜90V 2.5kΩ
(2.4k+100)
90〜110V DC100V用
18.87kΩ
100Ω
(20〜30W)
または
200Ω20Wを
2個パラレル
51Ω
(5〜10W)
220μF
110〜120V DC110V用
22.83kΩ
120〜135V 2kΩ







通常の直流遮断は、リレーの接点を直列に接続して行う。

小型4c接点リレーの場合、大きく分けて次の二種類の接続方法が考えられ る。 それぞれの接点で遮断する電圧は同じになるが、隣接する可動接点・ 固定接点の電位差は異なる。
隣との電位差は低い方が良い。






また暇が出来たら何か追加します。
 




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