交流の電圧を変える「トランス」、交流を直流にする「ダイオード」 |
家庭のコンセントから直接実験に使うには電圧が高すぎて危険。 AC100Vを低くし感電しないようにしよう。
そこで、「トランス(日本語で変圧器)」を使う。
トランスで電圧を変えられるのは交流だけで、直流では使えない。
ここで紹介するトランスは、一次側と二次側がつながっていないコイルの巻き方から「複巻」型と呼ぶ。
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トランスの一例
AC100V用トランス
(12V、16V、18Vの出力)
[図14-1]
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記号
左側が100V入力。(一次側ともいう)
右側が出力。(二次側ともいう)
二次側の一番下が0(共通)、二番目が12V、
三番目が16V、一番上が18Vの出力になっている。
[図14-2]
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右は家庭のコンセントのAC100Vからトランスで電圧を
下げてランプを点灯するようにした回路図。
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AC100V AC18V ランプは18V用
[図15]
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トランスは直流では使えないが、電圧を変えた交流を「ダイオード」を使って直流に変えることは出来る。
交流を直流にすることを「整流」という。 ダイオード(日本語で整流器)は電流が一方向にしか流れない物だ。
図16-1の左側を「アノード」、右側を「カソード」といい、電流はアノードからカソードに流れる。
何にでも「制限」がある。 ダイオードにも流してもいい「許容電流」があり、それを超えるとダイオードが壊れる。
逆の電圧(右側のカソードからアノードに電流が流れる方向)を加えても、微小電流が漏れるだけ。
更に電圧を上げていくと、ある電圧で大量に流れるが、そのときはダイオードが壊れるときだ。
この壊れる手前の逆電圧を「耐圧」「逆耐電圧」「逆最大電圧」とかいい、AC100Vで使う場合は、回路にもよるが
150Vか300Vは必要となる。([図6]参照)
ダイオードの記号
(下は新しいJIS記号)
[図16-1]
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4つのダイオードを組み合わせたものを「ブリッジ・ダイオード」という。
略して右のように書くこともある。
[図16-2] |
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一般整流用ダイオードの一例(3種類)
直径2〜10mm
[図17]
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3〜4cm角
接続はタブ端子か
半田付け
内部回路
[図18]
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15〜20mm角
接続は半田付け
内部回路は
左と同じ
[図19]
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大きいダイオードには
固定用のネジ穴がある。
【タブ端子】
(専用カバーがある)
[図20]
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もっと大きなサイズで、電極の端子をボルトで締め付ける様なものもある。
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次は、ダイオードを接続した回路
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右は、上の[図15]にダイオードを1つ入れた回路。
ダイオードで右方向しか電流が流れないので、
ランプの明るさは、[図15]の約半分になる。
この状態の整流を「半波整流」という。
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AC100V AC18V ランプはAC18V用
[図21]
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右は、ブリッジ・ダイオードを入れた回路。
ランプの明るさは[図15]とほぼ同じ。
この状態の整流を「全波整流」という。
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[図22]
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交流電圧波形と整流した波形
交流の波が1秒間に繰り返す回数を
「周波数」という。
単位は「ヘルツ(Hz)」。
(ヘルツは人の名)
一般家庭に供給されている電気は、
西日本では60Hz、東日本は50Hzに
分かれている。
交流から直流への変換はダイオード
だけでも出来るが、その逆の直流から
交流へは「インバーター」という装置を
使い変換してやる。
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交流波形
半波整流の波形
全波整流の波形
[図23]
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